電車にはいろんな物語があると思う [1カ国目: America]



先週の金曜日のこと。電車で隣の30代前半とおぼしきサラリーマンが、イヤフォンして爆睡していたのに、ふと目覚めて「空と君のあいだに」(中島みゆき, 1994)をおもむろに聴きだしました。

なんか切ないことでもあったのかな、花金なのに。

空とあなたとのあいだには今日も冷たい雨が降っていないことを祈ります。


電車にはいろんな物語があると思う

私は普段からすごくキョロキョロしているため、電車でうっかり隣の人の携帯を見てしまうことが多いです。
この間も、 隣の美人なお姉さんがすごく真剣に携帯の画面見てるな~、と思っていたら、
お姉さんのGoogleの検索キーワードが目に入ってしまいました。


"不倫 相手 女 消す 方法"


びびります。
美人なお姉さんも、いろいろと大変なんですね。
この電車に乗っている人、みんなそれぞれいろいろな想いを抱えてるに違いない。

あのお姉さんは、奪う側、奪われそうな側、どっちだったんだろう。


アメリカAmtrakの旅

電車が好きなので、旅する際には隙あらば電車に乗ろうと決めています。

初めて旅らしい "旅" をしたのは、2006年12月~2007年1月にかけて1ヶ月ほど、Amtrakという電車の周遊パスを買って、アメリカのいろんなところに行ったとき。


"Do you wanna join us?" もちろん、"Yes."



Amtrakとは、日本で言う新幹線を、ものすごく遅くして、 めちゃくちゃ長距離にして、本数を少なく(1日1本とか3日に1本)にしたような電車です。しかもよく遅れます
でも公式サイトを見ると、 "National high-speed rail" "on-time performance" が謳われてる!)

アメリカでは飛行機が発達していて、お金のある人は飛行機に、ない人は長距離バスに乗ることが多いそうです。
時間がかかるのに安くもないAmtrakに乗るのは、高所/閉所恐怖症で飛行機が嫌いか、電車がすごく好きか、もしくはなにか特別な理由があるんだと思います

Amtrak Sunset Limited サンルーフ車両
Amtrak この小汚い少年みないなのが私 (2006年)...


留学仲間のぼーのとちなつと一緒に、カナダのバンクーバーを出発して、西海岸をサンディエゴまでくだった後、2人は飛行機でそれぞれマイアミとニューヨークに行くことになりました。 

お金のなかった私は2人を見送り、そのまま1人で途中下車しながら、サンディアゴからJazzの街ニューオリンズまで向かいました
この路線名が "Sunset Limited"で、なんともおしゃれ。


Amtrak Sumset Limited 路線図


 ヒューストンからニューオリンズに向かう電車は、スケジュール通りに走っても7時間以上かかるのに、さらに電車が事故にあい、15時間経ってもまだ着く気配がありません
あまりにも暇、暇~~、暇暇~~~と思いながらサンルーフ車両で日記を書いていました。

すると突然、くしゃくしゃに丸まった紙が自分のテーブルに投げ込まれました。

開いて見ると一言、

"Do you wanna join us?"


斜め後ろに座っていたカップルが、暇そうな私を見かねて手紙をなげてくれたみたいです。
このカップルがなんともアーティスティックな雰囲気を醸し出していて、映画みたいな展開にどきっとしました。


みんなでひたすらお絵描きをして電車が動き出すのを待つ
幾何学模様がきれい

この瞬間は、 たぶん、今後の人生の中でもTop5に入る素敵な出会いだったと思います

電車は深夜にニューオリンズに着き、女の子のご両親の家に泊めてもらうことになりました

一期一会な感じがとても素敵だったから、メールアドレスもfacebookも聞かずにバイバイしたのですが、連絡先聞いておけばよかったなと思います。


泊めてくれたご両親
New Orleans, ハリケーン カトリーナで甚大な被害を受けた後でも、街はJazzで溢れてた


こういう物語が生まれから、電車の旅はやめられません